渋谷直人さんが監修したグラスロッド『グラスマスター』とは、どのようなフライロッドなのでしょうか?
「竹竿には表現出来ないものを持たせた。」
「釣れた」ではなく見えた魚を確実に「釣る」
そんな職人の魂とプロハンターのスタイルが反映されたこだわりの竿。
それがバンブーロッドビルダーである渋谷直人さんが監修したグラスロッドであるグラスマスターです。
この記事では、渋谷直人モデルのグラスマスターの特徴と、入手しやすいロッドをご紹介します。
渋谷直人モデルのグラスマスターは何種類?入手困難って本当?
渋谷さんが作るバンブーロッドは、渋谷さんの出身である湯沢市川連町に伝わる漆塗りを施したものです。
その工芸品のような美しさから、人気のあまり竿の購入には注文から納品までなんと3年待ちという程です。
渋谷さんは2021年6月6日放送の『情熱大陸』で紹介されたため、今後ますます渋谷さんのバンブーロッドは人気が出て入手困難になりそうですね。
渋谷さんお手製のロッドは入手困難でも、渋谷さんが監修したグラスマスターであればそこまでまだ入手可能です。
今回はそんな職人でもあり、フライフィッシングのプロである彼が監修した、グラスマスター渋谷直人モデルの特徴とおすすめポイントを解説します。
[ad4]渋谷直人モデルのグラスマスターの全種類紹介
渋谷直人モデルのグラスマスターは4種類あります。
- GM733-5 NSF
渋谷さんの723のバンブーロッドをモデルにしたもので、強度やバランスなどバンブーロッドに近い使い心地。
- GM773-6 NSF
渓流域から本流域まで渋谷さんがメインで使用しているスペック。
- GM774-4 NSF
大型フライの使用、北海道などでの大型虹鱒への対応を考えて作られた現行モデル。
- GM794-5 NSG(廃盤)
中流域や本流域での風対策や大型フライを扱う前提で設計されたモデル。
この記事では、大型フライの使用、北海道などでの大型虹鱒への対応を考えて作られた現行モデルであるグラスマスター『GM774-NSF』について解説します。
グラスマスター『GM774-NSF』の特徴はグラスの竿による弾力を活かした柔軟性にあり?
竹竿は魚の向きやローリングや引きの感覚がダイレクトに伝わってくるのが大きな特徴で、竹に比べるとどうしてグラスはそれらの感覚がぼやけてしまいます。
ですが、グラスのその弾力を活かした柔軟性により、ランディングでのバラしにくくなる安定感に大きな特徴があります。
その竹竿の感覚に近く作れるのがグラスで、竹竿と持ち替えても違和感を少なくなるように作られています
他にもバットがスムーズに曲がることや、足元をしっかり釣れるティップがちゃんと入ることなど随所に渋谷さんのこだわりが込められています。
それがグラスマスター『GM774-NSF』のコンセプトであり、渋谷さんのフィッシングスタイルでもあるロングリーダー・ロングティペットというスタイルがあります。
通常、魚に警戒されるのはフライより先にラインが流されて、フライがラインに引っ張られ不自然な動きになってしまうこと。
そうならないためのメンディングというテクニックがやり易くなるのが通常のロングリーダー・ロングティペットのメリットです。
[ad5]しかし渋谷さんの考えるロングリーダー・ロングティペットは、キャスト可能域でのスローアクションにこだわりがあります。
このキャスト可能域というのは、フライフィッシングにおける最も重要な距離である足元から15ヤード、更にいうと6〜12ヤードまでのコントロール性を重要視されています。
この距離内で単純に円を描くような竿のスローアクションでになるのではなく、少ない不可の時は竿先付近が曲がるパラボリックと、掛かる負荷に応じてスムーズにグリップへカーブしていくプログレッシブの両立をしています。
つまり、魚をかけた時により安定して獲るためのアクションに仕上がっています。
これが大物とのファイトで活きてきます。
[ad6]実際、渋谷さん曰く、これまでだったら確実にバラしていたであろう尺ヤマメが取れたのはこのグラスとロッドアクションのバランスだと実感出来たのだそうです。
細いティペットとミッジサイズと言われる実際のユスリカに即したサイズのフックを扱うことにより、更に優位性が得られるだろうと、渋谷さんは言います。
さらにグラスの質量の良さがバンブーの弱点である繋ぎ目に生きており、雨などのバンブーでは不安なシチュエーションに対応することができます。
まとめると、竹に近い重さやアクションを持ちつつ、本流域での大物とのファイトを想定して作られたロッドということになります。
そんな職人であり熟練のプロが監修した名竿を手に取ってみては如何でしょうか。