最近耳にすることも多くなった「自閉症スペクトラム」という言葉。皆さんは正しく理解できていますか?
今回は自閉症スペクトラムについて紹介します。
自閉症スペクトラムとは?
自閉症スペクトラム障害とは、神経発達障害に分類される診断名のひとつで、コミュニケーションや言語に関する症状があり、常同行動を示すといった様々な状態を連続体として包含する診断名のことです。スペクトラムというのは連続体という意味です。また、常同行動は「同じ行動や動作を何度も繰り返す」ということですよ。社会的コミュニケーションの障害があり、興味が限定的であるという二つの診断基準を満たすと自閉症スペクトラム症候群と診断されるようです。
社会的コミュニケーションの障害
自閉症スペクトラム障害の人は主に人との関わりが苦手で、「空気が読めない」「比喩、皮肉や相手の気持ち、暗黙のルールを理解できない」「言われた事を表面的に受け取り、言葉の裏や真意を読めない」といった特徴を持つようです。社会的な場面での困難さが持続してしまうのですね。「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」と呼ばれていた人たちも、現在はまとめて自閉症スペクトラム障害と括るようです。
こだわり行動
自閉症スペクトラム障害のもう一つの代表的な特性、「こだわり行動」は、物の配置や物事の順番、勝敗や自分のやり方について強く固執したり、興味や関心について極端な偏りがあることを指します。同じ食べ物ばかり食べようとしたり、同じ服ばかり着ようとしたり、同じ場所に物を置きたがったりなどの例がありますよ。また、手先が不器用だったり、感覚刺激に過敏だったり、反対に鈍かったりする特性が見られることもあるようですね。
自閉症スペクトラム障害の原因は?
自閉症スペクトラム障害は脳の障害と言われており、生まれつきの脳の機能になんらかの不具合があるために起きるものとされています。親のしつけや育て方、本人の性格とは無関係なのですが、そのために症状の改善や発達の促進は出来ても、完全に治るということはないのですね。自閉症スペクトラム障害は生後二年以内に明らかとなり、また男児の発症率が女児の4倍とされています。
自閉症スペクトラム障害の有名人は?
自閉症スペクトラム 軽度の場合はある程度普通に生活できるため、有名人の中には「自閉症スペクトラム障害では?」と噂される人もいます。自ら公言している自閉症スペクトラム 有名人としては、ミュージシャンの米津玄師さんがあげられますよ。元々両親と不仲で、いつも人とのコミュニケーションに困難を感じていた米津玄師さん。20歳の頃に人とは違うことに違和感を覚え、病院を訪れたところ「高機能自閉症」と診断されたそうです。
自閉症スペクトラムの人に向いている仕事は?
自閉症スペクトラム障害の対処法は、治療よりも療育や支援に重きが置かれ、患者の生活環境を整備しQOLを最大化することが治療のゴールの一つとなっています。向いている仕事をすることも重要な要素の一つですね。自閉症スペクトラム障害の方には、自分の関心が高い分野に高い集中力を発揮する方が多く、また情報処理能力の高い方も多いようです。ただ対人関係に悩みを持つ人も多いため、作業内容が向いていても不特定多数の人と関わる仕事となると難しいかもしれません。
プログラマーや清掃業務が向いているかも?
一人で細やかな作業を黙々と進められる特性、徹底してこだわることができるという点においては、プログラマーや研究職、校正や校閲などの仕事が向いていると挙げられています。またルールを守って定型作業を続ける仕事も特性に合致しているかも。工場の製品管理やライン作業、清掃業務なども向いている仕事として挙げられていますよ。
ASD(自閉症スペクトラム)|向いている仕事や適職とは?事例もご紹介 (litalico.jp)
最後に
今回は自閉症スペクトラムの特性や向いている仕事などを紹介しました。
こういった特性についても、昔よりはずっと理解が進んできましたよね。これからは、自閉症の人ももっと活躍しやすい世界になっていくのかもしれません。