こどもNISAは、0歳から17歳の子どもが利用できる新しい非課税投資制度です。
「いつから始まるのか」「ジュニアNISAと何が違うのか」と気になっている方も多いでしょう。
この記事では、開始時期と口座開設の流れを最初に整理しました。そのうえで、上限額や贈与税、デメリットまで順番に解説します。
こどもNISAはいつから始まるのか
こどもNISAの開始時期は、すでに法律で決まっています。
あわせて、口座開設の申込時期も確認しておきましょう。
制度が始まるのは2027年1月1日
こどもNISAの制度が始まるのは、2027年1月1日です。
2025年12月の税制改正大綱で創設が示されました。その後、2026年3月31日に改正法と関連する政省令が公布されています。
なお、税制改正大綱とは、翌年度の税制をどう変えるかを政府と与党がまとめた方針のことです。
口座開設の受付は2026年10月から
制度の開始に先立ち、証券各社は2026年10月以降、口座開設の申込を順次受け付ける予定です。
楽天証券や三菱UFJ eスマート証券は、10月1日からの受付開始を公表しています。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2025年12月 | 税制改正大綱でこどもNISAの創設が示される |
| 2026年3月31日 | 改正法と関連する政省令が公布 |
| 2026年10月以降 | 各金融機関で口座開設の申込受付が始まる |
| 2027年1月1日 | こどもNISAの制度開始 |
多くの金融機関では、申込前に親権者名義の証券口座を開設しておく必要があります。
申込の集中も予想されるため、早めに準備しておくとよいでしょう。
こどもNISAが始まるまでの流れ
- 2016年
ジュニアNISAが始まる
- 2023年末
ジュニアNISAの新規投資が終了
- 2025年12月
税制改正大綱でこどもNISAの創設が示される
- 2026年3月31日
改正法と関連する政省令が公布
- 2026年10月1日ごろ〜
各金融機関で口座開設の申込受付が始まる
- 2027年1月1日
こどもNISAの制度開始
受付開始日は金融機関ごとに異なります。
こどもNISAとは何か
こどもNISAは、大人向けNISAの「つみたて投資枠」を18歳未満にも広げた制度です。
ここでは、対象年齢や上限額などの基本を押さえます。
対象年齢と投資できる商品
対象となるのは0歳から17歳までの子どもで、口座は子ども名義で開設します。
実際の運用や管理は、親権者が行う仕組みです。
購入できるのは、つみたて投資枠の対象となる一定の投資信託に限られます。
投資信託とは、集めたお金を専門家が株式や債券などで運用する金融商品のことです。
なお、つみたて投資の基本的な考え方は、つみたてNISAの仕組みを解説した記事も参考になります。
買い方にも制限がある点に注意が必要です。
大和総研のレポートでは、買付の方法について次のように説明されています。
“定時・定額の買付に限定”
(大和総研「こどもNISAの制度設計」より引用)
つまり、まとまった金額を一度に買うのではなく、毎月一定額を積み立てる方法が前提です。
こどもNISAの上限は年間60万円と総額600万円
こどもNISAで投資できる金額には、次の上限が設けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間投資枠 | 60万円(月5万円に相当) |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 非課税期間 | 無期限 |
| 運用益への税金 | かからない |
非課税保有限度額とは、非課税のまま持ち続けられる投資元本の上限を指します。
毎年60万円ずつ積み立てた場合、10年で600万円の上限に達する計算です。
600万円の上限に届くまでの期間
毎月の積立額を選ぶと、元本だけで上限に届く期間と、0歳から17歳末までに積み立てられる元本の目安を表示します。
運用による増減は含めず、投資元本のみで計算しています。年間投資枠の60万円は月5万円に相当します。
18歳以降は大人のNISAへ移行
子どもが18歳になると、口座は自動的に大人向けNISAのつみたて投資枠へ移行します。
非課税のまま、運用を続けることも可能です。
ただし、こどもNISAで使った枠は、大人向けNISAの生涯上限1,800万円の一部として数えられます。
たとえば600万円を使い切った場合、18歳以降に使える残りの枠は1,200万円です。
ジュニアNISAとこどもNISAの違い
ジュニアNISAは、2016年から2023年まで利用できた未成年者向けの制度です。
こどもNISAとは、投資枠や引き出しのルールが大きく異なります。
| 項目 | ジュニアNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 |
| 非課税で持てる上限 | 400万円 | 600万円 |
| 非課税期間 | 5年 | 無期限 |
| 対象商品 | 株式や投資信託など | 一定の投資信託 |
| 途中の引き出し | 原則18歳まで不可 | 12歳以降は条件付きで可能 |
ジュニアNISAは引き出しの制限が厳しく、2023年度末時点の口座数は約104万件にとどまりました。
こどもNISAでは、年間枠が小さくなる代わりに、非課税期間と引き出しの条件が見直されています。
| 項目 | ジュニアNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 投資できた期間 | 2016年〜2023年 | 2027年〜 |
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 |
| 非課税で持てる上限 | 400万円(80万円×5年) | 600万円 |
| 非課税期間 | 5年 | 無期限 |
| 対象商品 | 株式や投資信託など | つみたて投資枠の対象投資信託 |
| 買い方 | 一括購入も可能 | 定期的な積立のみ |
| 途中の引き出し | 原則18歳まで不可 | 12歳以降は条件付きで可能 |
こどもNISAと贈与税の関係
親や祖父母が子どもの口座にお金を入れると、税法上は子どもへの「贈与」にあたります。
そのため、贈与税の基本を知っておくと安心です。
年間110万円までは贈与税がかからない
贈与税には、1年間にもらった財産の合計が110万円までなら課税されない基礎控除があります。
こどもNISAの年間投資枠は60万円のため、ほかに贈与がなければ枠内に収まるケースが多いと考えられます。
ただし、この110万円は、子どもが1年間に受け取った贈与の合計で判断されます。
両親と祖父母がそれぞれ入金した場合などは、合計額を確認しておくことをおすすめします。
名義預金とみなされないための工夫
子ども名義の口座でも、実際には親の財産と判断されるケースがあるとされています。
これを「名義預金」と呼び、相続の際に相続税の対象になる可能性があります。
贈与の事実を残すため、贈与契約書を作成しておく方法もあります。
判断に迷う場合は、税務署や税理士へ相談するとよいでしょう。
こどもNISAのデメリットと注意点
こどもNISAにはメリットがある一方で、事前に知っておきたい制限もあります。
主な注意点を3つに分けて紹介します。
12歳までは原則として引き出せない
子どもが12歳になるまでは、原則として資金を引き出せません。
例外は、災害で住まいに被害を受けた場合などに限られます。
12歳以降は、教育費や生活費など子ども本人のための支出であれば、引き出しが可能です。
ただし、金融庁の資料によると、手続きには次の書類が求められます。
“子が払出しに同意したことを示す書面”
(金融庁「令和8年度税制改正について」より引用)
この書面とあわせて、親権者が申出書を金融機関に提出します。
幼稚園や小学校の費用には使えないため、別の貯蓄で備える必要があるでしょう。
金融機関を変更できない見込み
大人向けNISAとは異なり、こどもNISAでは金融機関の変更が認められない方向で制度設計が進んでいると報じられています。
また、口座は1人につき1つの金融機関でしか開設できません。
手数料や取扱商品、積立設定のしやすさなどを比べてから選ぶとよいでしょう。
元本割れのリスクがある
こどもNISAで購入する投資信託は、預金とは違い、元本が保証されていません。
相場の状況によっては、投資した金額を下回る可能性もあります。
非課税になるのは、あくまで運用で利益が出た場合です。
教育費など使う時期が決まっている資金は、預貯金とのバランスも考えて計画するとよいでしょう。
まとめ
こどもNISAは2027年1月1日に始まり、口座開設の申込は2026年10月以降に各金融機関で受け付けられます。
年間60万円、総額600万円まで非課税で積立投資ができる制度です。
贈与税や引き出しの条件、元本割れのリスクも理解したうえで、家庭に合った使い方を検討するとよいでしょう。
免責事項
本記事は、こどもNISAに関する制度情報の提供のみを目的としています。特定の金融商品や金融機関の利用、投資を推奨するものではなく、金融・税務に関する助言でもありません。投資信託は元本が保証されておらず、損失が生じる可能性があります。制度の詳細は変更される場合があるため、最新の情報は金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認することをおすすめします。贈与税については国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」を参照してください。金融取引のトラブルに関する相談は、金融庁 金融サービス利用者相談室で受け付けています。





